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CRYPVO JOURNAL / 発注・業務改善

安い見積と早い見積、発注前に何を確かめるか

執筆:中園 達洋(合同会社crypvo 代表社員) 公開 / 更新

同じ部品の加工を二社に頼むとします。A社の見積は安く、B社のほうが早く届く。ここで担当者が先に決めるのは、今回の発注で一つでも欠けたら困る条件です。

「希望」と「必須」を分けておく

以下は教材用の架空例です。部品は10営業日以内に必要で、予算には上限があり、指定した仕様を満たす根拠も必要とします。どちらの見積も予算内。価格差を比べる前に、残りの二条件を見ます。

A社へ聞くこと
仕様の根拠はそろっていますが、提案納期は15営業日。「10営業日以内に納められますか。短縮に追加費用がかかる場合は、総額も教えてください」。
B社へ聞くこと
提案納期は8営業日ですが、仕様を照合する資料がまだありません。「指定した仕様のどの項目に対応しているか、図面か検査資料で示せますか」。

AIに頼む仕事は、次の質問を作るところまで

依頼文には、目的、必須条件、見積書の該当箇所を渡します。たとえば「各社について、条件を満たす項目・満たさない項目・資料だけでは分からない項目を並べ、根拠の行と確認先を添えてください」と書きます。

返答を読むときは、A社の納期が「調整可能」に、B社の仕様が「問題なし」に変わっていないかを原本と照合します。どちらも、先方から回答が来るまで判断を保留する箇所です。

判断を動かした条件を一行残す

たとえば短納期が必須だったのは、部品を使う日が決まっていたからです。その日が動くなら、担当者が条件を更新して、二社をもう一度比べます。「安い案を選んだ」だけでは、後から判断をたどれません。

次に見積を受け取ったら、比較表の上に「今回外せない条件」を一行書いてみてください。回答がそろった段階で、決裁者が納期・仕様・総額の根拠を確認して発注を決めます。